講師:清田大介
in CP+2019 day1-4
アートフォトとしてのポートレイトで数々の受賞をしている清田さん。本講義では、NDフィルターのポートレイト撮影での活用法を紹介。NDフィルターによるポートレイトの新たな表現の可能性を語っていただきました。
![](https://photographer-dev.nisifilters.jp/wp-content/uploads/2019/04/kiyota01.jpg)
ポートレイト撮影の2種の光、「環境光」と「人物に当てる光」
清田さんの作品は、いわゆるポートレイトとは少し違い、海外だと「ファインアート」に分類される作品です。ふだんの撮影は、モデルさんをメインに、メイクさん、衣装さんと共にスタジオで撮影するスタイルです。
「去年1年間はスタジオにこもっていました。ロケでの撮影は、光のコントロールが難しいので、まずは光のコントロールがしやすいスタジオで練習しようというのが去年1年間やっていたことです。それもだいたいクリアできたので、今年はロケでの撮影もやってゆこうと思っています」
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1枚目の作例は、NiSi「ナチュラルナイト」フィルターを使ったロケ作品。「ナチュラルナイト」は、夜間・星景撮影時の「光害」をカットし、自然な色を再現するフィルターです。
「このフィルターが無いと、画面全体が黄色くなるんです。星空はブルーに撮りたいので、「ナチュラルナイト」とCPLフィルターをつけて撮影、人物にはストロボを2灯炊いています。
ポートレイトでは、2つの光、環境光と人物に当たる光を考える必要があります。
まず、星を撮る。これは環境光です。星を撮るには新月がいいのですが、それだと富士山が撮れない。だから月明かりが少し使える半月の日と時間、このときは夜中の2時−3時頃を選びました。富士山と星が撮れたところで、モデルさんに入ってもらって、ストロボで撮影しています」
理想の露出、シャッタースピードのためにNDフィルターを使う
次の写真は、タイでのロケ写真。
「こちらもNDフィルターとストロボを使った作品です。これらを使う理由は、全体の光をコントロールすることで、自分の個性や作品性を表現できるから。環境光=太陽光と人物に当たる光 ( ストロボ ) をコントロールすることで、自分が望んだコントラストや露出に設定できるんです」
![](https://photographer-dev.nisifilters.jp/wp-content/uploads/2019/04/kiyota03.jpg)
「NiSiのNDフィルターは、逆光耐性が強く、透過率がいいのでストレスなくきれいに撮れます。この写真の状況だと普通に撮ったら空が飛んでしまいますが、ND8を使うことで、暗いところが整理されて色被りもしていない。人物用にはストロボを1灯焚いています。
ほぼ撮って出しでここまで撮れています。
スタジオで撮る場合には自分が理想とする露出、シャッタースピードで撮影できます。僕の場合はF8、1/160、ISO100が理想で、これを基本に、被写体や目的によって調整して決めています。NDフィルターを使うのは、ロケ先でもその設定に近づけることができるように、太陽光を調整するためなんです」
ストロボで人物を止める
次の写真のポイントは、環境光と、ストロボで人物をどう止めるかという点と語る清田さん。
この撮影では背景にスモークを炊き、背景は白、NDフィルターで露光時間を長くして、ストロボを2回焚くことで、モデルさんが2重に写っているそう。画面のブルーの書き込みがストロボの瞬間光、ピンクの書き込みが背景の環境光です。
![](https://photographer-dev.nisifilters.jp/wp-content/uploads/2019/04/kiyota04.jpg)
「NDフィルターをつけて8秒間露光をしています。ストロボは全体、モデル、背景のスモーク、地面にそれぞれ1灯ずつ、早い瞬間光を2回光らせています。そうするとで背景に影響がないかと質問されるんですが、ストロボは瞬間光なので、露光時間が5秒でも10秒でも変わらないんですよ」
![](https://photographer-dev.nisifilters.jp/wp-content/uploads/2019/04/kiyota05.jpg)