東京都北区
金武武の花火月誌 10月

開催地である東京・北区出身のミュージシャンの楽曲がフィーチャーされ、コンサート並みの音響設備という「北区花火大会」。花火の演出で多用される明るくきれいな「噴出花火」上手に捉えるコツは、GNDフィルターにありました。

コンサート会場のようなスピーカーで音楽とシンクロ

9月28日土曜日に東京都北区で開催された北区花火会に行ってきました。
2018年は打ち上げ数7777発でしたが今年は8888発に増えました。中型の花火と噴出花火を組み合わせ音楽と共に打ち上がります。音楽は北区にゆかりのあるミュージシャンたちの曲が使用されています。スピーカーから流れてくる音の質は良くコンサート会場にいるようでした。また観覧席は打上場所に近いため音楽と花火を大迫力で楽しめます。約1時間のプログラムはあっという間に過ぎていきます。

階段席のスペースは広く撮影は快適でした。

私は旅行会社が企画した花火撮影ツアーの講師として20名のお客様と共に行きました。昨年は雨の中での開催でお客様たちは雨がっぱを着て撮影をしました。雨の中の撮影は大変で水滴がレンズに付着したり煙が滞留して花火が見えなかったりと厳しい状況でした。
今年の天候は曇り空で快適な気温、風向きは私達が風上になり煙の心配はありません。最高の条件で花火が始まりました。

圧巻のワイドスターマインでスタート

花火は第一部から圧巻のワイドスターマインで驚きました。昨年とは全く違う印象です。昨年は雨をしのぐのが必死でしたし煙が邪魔で花火を見ている余裕が無かったのですがそれでも今年は違っていました。

GND8フィルターを使用し噴出花火にND部分が掛かるように微調整しながら撮影しました。 ISO100、F13、BULB(30秒間)、三脚、レリーズ、GND8

おそらく打ち上げ数が増えたためオープニングから盛大な演出が可能になったのでしょう。
有料観覧席は2ヶ所ありかなり離れています。そのためワイドスターマインはそれぞれの観覧席から見て正面になるような打ち上げ演出がされていて時には斜めからワイドスターマインを見ることもあります。斜めから見ても音楽とシンクロした演出は迫力ありたいへん楽しめます。
撮影はツアー専用に階段席を用意して頂いています。階段席は前後に余裕があり三脚を低く立てれば前のお客様にぶつかる事がありません。じつは三脚を低くして使用すれば小型三脚に重たいカメラを乗せてもブレ難くなります。
花火の演出では噴出花火が多用されます。噴出花火は打上花火に比べるとたいへん明るいので噴出花火だけ露出オーバーになります。私はGND8フィルターを使用し噴出花火の露出を抑え撮影しました。

ワイドスターマインを斜めから撮影する場面もありました。アンバランスな写真になってしまいますがツアーのお客様と一緒に楽しく撮影が出来ました。 ISO100、F16、BULB(20秒間)、三脚、レリーズ、GND8

GND

風景写真家のために特別に設計された、Nano IR コーティングが施された高品質な光学ガラス製のフィルターは、キズや汚れ・色かぶりのない優れた描写をもたらします。
構図に合わせてフィルターをかける位置を調整することができるため、表現の幅をより一層たかめてくれます。

金武 武 Takeshi Kanetake

写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。打上げ花火を独自の手法で撮り続けている。写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表に加え、近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導も行う。1963年神奈川県横浜生まれ。

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